お知らせお知らせ

トピックス

レム睡眠の比率の重要性について

 小学校から、登校自粛明けの児童が授業中に寝ているので、睡眠について教えてほしいと依頼がありました。冬休み明けにも、注意が必要です。大人でも、睡眠障害は慢性的な疲労感をもたらし、ホルモンの異常を引き起こし、高血圧や糖尿病、ガンの発生に関連しているとされています。薬局でも、最も多い相談項目です。

 睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの状態があります。レム睡眠は、眼球が振動している浅い睡眠であるのに対し、ノンレム睡眠は、就寝直後に現れる深い睡眠で記憶を定着させる役割を担っています。レム睡眠は、生まれる直前から1歳までが最も多く、50%の比率があり、一生のうちで最大の比率です。レム睡眠の脳波は、覚醒時と同じ波形で、しかも、覚醒時の3割増しで脳が働いている状態です。人間特有の睡眠比率で、脳の発達に必要です。この時期の睡眠がうまくいかないと、自閉症などになりやすいとされています。

 小学生になると、ノンレム睡眠が増えてきて、70%ぐらいになってきます。ノンレム睡眠は、記憶の定着以外に、レム睡眠で増えすぎた脳神経を整理する働きを担います。整理ができないと、考えがまとまらない統合失調症や、ADHD 、大うつ病などの状態になりやすいと考えられています。16歳以降は、ノンレム睡眠が80%で、一生変わりません。

 睡眠は、概日リズムによりホルモンの正常をもたらし、病気の予防ができると考えることができます。睡眠中のことを憶えている人はいないため、意識しにくいですが、重要なことです。天才アインシュタインは11時間睡眠を欠かさなかったそうです。皆さんも、脳を効率よく使うため、十分な睡眠を心掛けてみて下さい。